MENU

皮フ科

Blog

ヘルペス|小田急相模原駅前徒歩1分の小田急相模原駅前 やすおか皮フ科・形成外科

ヘルペス

ヘルペス

単純ヘルペスはウイルスによる感染症で、痛みを伴った水疱がみられる疾患です。特に口唇や陰部は好発部位として知られています。

単純ヘルペスウイルスは感染すると生涯にわたって神経節に潜伏します。疲れや風邪などで免疫が低下した時に症状が出てきます。初感染で口腔内や外陰部に発疹が生じた時は高熱や激痛が伴います。

治療としては、ウイルスの増殖を抑える抗ヘルペスウイルス薬の内服や外用を行います。これまでにも同様の症状を繰り返している場合には、発疹の出る前にチクチクするなどの予兆が出ることも多く、その時点で内服を始めると、治癒までの期間を短くすることができます。

再発型は限局性で、個疹が小さい特徴があります。

Q好発部位はありますか?

このウイルスは、体のどこでも感染します。従って、部位別に、ヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、顔面ヘルペス、角膜ヘルペス、性器ヘルペス、ヘルペス性ひょう疸(手指に感染したもの)、殿部ヘルペス、ヘルペス性脳炎などと呼ばれています。また、新生児にかかった場合は、新生児ヘルペスと呼ばれ、特殊な病名にウイルスが経皮感染して生じるカポジ水痘様発疹症があります。
口唇ヘルペスが最も多く、次いで再発型性器ヘルペス、顔面ヘルペス、カポジ水痘様発疹症の順になっています。

Qどのように感染するのでしょうか?

主に接触感染です。水疱、びらん面などの病変部や唾液などとの接触感染や飛沫感染、またはウイルスに汚染された手指や器具などから感染します。飛沫感染というのは、くしゃみ、せき、会話などの際に飛沫が放出され、すぐ近く(1m以内)にいる人の皮膚や粘膜に直接的に散布されて感染が起こることをいいます。思春期までにほとんどが感染を経験し、抗体を保有するとされていましたが、最近では初感染年齢が高くなり、成人に達しても抗体保有率は45%程度です。

Q再発はどのようにして起こりますか?

初感染後に知覚神経節の神経細胞核中に遺伝子の形で潜伏し、発熱、紫外線、性交、歯科治療などの刺激やストレスや悪性腫瘍合併を含めた細胞性免疫の低下などで潜伏ウイルスが増殖して口唇ヘルペスの原因ウイルス(HSV-1)は主に上半身に、性器ヘルペスの原因ウイルス(HSV-2)は下半身に発症します。一般にHSV-2の方がHSV-1よりも再発頻度が高いのですが、同じHSV-2に感染していても月に数回再発する人と数年に1回しか再発しない人がいます。潜伏しているウイルス量によるとされていますが、その他に免疫能力やウイルスの株の差によるとの考えもあります。ヘルペスの症状がみられずにウイルスのみを性器に排泄(無症候性ウイルス排泄)することが、初感染後1年以内で多くみられます。

図4 単純ヘルペスウイルス型別再発頻度
HSV-1
女性 n=101
男性 n=70
平均
2.1回/年
2.2回/年
2.14回/年
HSV-2
女性 n=62
男性 n=45
平均
7.2回/年
12.3回/年
9.34回/年

Q単純疱疹の診断法は?

臨床症状で、判断できますが、時に帯状疱疹や毛嚢炎などとの鑑別が必要です。

Q治療はどうしたらよいのでしょうか?

軽症の場合、抗ヘルペス薬(アシクロビル、ビダラビン)の外用を行いますが、原則的には、抗ウイルス薬の全身投与が基本です。近年米国のFDAで、市販薬として抗ウイルス薬外用薬の使用に対し、耐性ウイルスの出現を増加させるおそれがあるとして警告を発しております。
初感染や中等症の場合には、抗ヘルペス薬(アシクロビル、バラシクロビル)の内服を行い、重症例や免疫不全者では抗ヘルペス薬(アシクロビル、ビダラビン)の点滴静注を行います。細菌の二次感染を伴うことがあるので抗生物質の全身投与または外用を行うこともあります。

Q抗ウイルス薬で再発を防ぐことが出来ますか?

現在、発売されている抗ウイルス薬はウイルスの増殖を抑えるだけで、神経の中に入り込んだ(潜伏した)ウイルスDNAを取り除く事は出来ません。従って、年6回以上再発を繰り返す患者は、抑制療法といって一定量の抗ウイルス薬を毎日内服し続ける方法が、承認されました。方法はバラシクロビル1日1回500mgを毎日内服します。約1年間継続し、中断後再発が2回観察された場合さらに継続するかを検討します。抑制療法中に再発した場合、通常の治療法すなわち1回500mgを1日2回5日間内服し、その後1日1回に戻します。抑制療法を行っても再発頻度が減少しない場合には1回250mgを1日2回または1回1000mgを1日1回にします。これでも再発をする場合、診断が正しいかどうかまたはバラシクロビルに耐性が出来ているかどうかを調べてもらいましょう。
また、再発頻度が少なく、誘因や再発の前徴が明らかな患者さんは、予め抗ウイルス薬を手元に持っておき、その様なときにのみに内服すると再発を免れることが出来ます。
一般に単純疱疹は、徐々にその間隔は長くなり、やがては再発しなくなると思われます。しかし、細胞性免疫機能の低下、特にHSV特異的suppressorT(CD8陽性)細胞数の低下から頻回に再発するようになることもあります。

 

ヘルペスでお悩みのかたは当院(小田急相模原駅前 やすおか皮フ科・形成外科)にご相談ください。