MENU

検査・治療法

Examination / Treatment method

外用療法(塗り薬)|小田急相模原駅前徒歩1分の小田急相模原駅前 やすおか皮フ科・形成外科

外用療法(塗り薬)

外用薬の使い方

軟膏とクリームはどのように違うの?

軟膏とクリームの違いはクリームには水が含まれていて、油ときれいに混ざっていることです。軟膏には水が含まれていません。クリームが軟膏に比べて塗りやすく、べたつかないのも水が含まれているからです。クリームの水と油が混ざっていることを専門用語では『乳化』と呼んでいます。乳化とは字の通り『乳』にすることです。『乳』は哺乳動物にとって体に吸収されやすいものです。クリームも軟膏に比べ吸収されやくなっています。そのため、クリームの方が早く効果が出ますが、軟膏に比べ汗で流れやすい欠点もあります。夏などべたつきが強く感じられる場合など、使用感を考慮して軟膏からクリームに変える場合もあります。ただし、薬の名前に『~軟膏』と書いてあっても、クリームであることもあります。

軟膏やクリームの塗る回数は何回?

軟膏やクリームなどの外用剤は塗る回数が決まっています。医師や薬剤師から説明された回数をきちんと守って塗って下さい。塗る回数が少ないと十分な効果が得られないことや、逆に塗る回数が多いと副作用が出ることもあります。ただし、薬によっては1~数回などと書かれている場合があります。アトピー性皮膚炎の治療では一般にステロイド外用薬は1日1~2回塗ります。症状が改善している場合は1日1回、より症状が改善した場合では1週間に2、3回などの場合もあります。毎回薬をもらう時に塗る回数も確認して下さい。スキンケアに用いられる保湿剤も1日1~数回塗る薬が大部分です。1日1回よりも2回や3回塗った方がより効果が得られるので、頑張って塗りましょう。軟膏やクリームなど外用薬の中には夜だけ塗るものや、2日に1回と隔日に塗るものもあります。このような薬では塗る時間や日数を守らないと副作用が起きやすくなるので、回数を守って塗って下さい。

軟膏やクリームを塗る量はどのくらい?

最近では1FTU(finger tip unit)という単位を用いて軟膏やクリームの塗る量を説明されることが多くなりました。これは人差し指の先端から第一関節までチューブから絞り出した量が約0.5gで、両方の手のひらに塗る量に相当するという塗り方です。この場合、絞り出した量が約0.5gになるのは25gや50gの大きいチューブです。5gのチューブでは人差し指の先端から第一関節までを2回絞り出した量が約0.5gとなります。1FTUを用いた塗る量は少し多いなと感じると思いますが、軟膏やクリームはたっぷり塗ることで十分な効果が得られます。逆に、塗る量が少なすぎると十分な効果が得られず、長期間塗らないと病気が治らないことがあります。なお、1FTUは本来ステロイドの軟膏やクリームを塗る時の量です。軟膏やクリームによっては塗る量が制限されている薬もあるので注意して下さい。不明な場合は必ず医師や薬剤師に訊いてから塗って下さい。

軟膏やクリームが複数処方されている場合の塗る順番は?

軟膏やクリームが複数処方されている場合では、医師から説明された順序を守って塗って下さい。特に説明がなかった場合では、一般に塗る面積の広い方から先に塗ります。ステロイド外用剤と保湿剤の併用では塗る面積の広い保湿剤から先に塗り、後からステロイド外用剤を湿疹等の病気の部分だけに塗ります。この場合、先にステロイド外用剤を病気の部分だけに塗ってから、保湿剤を塗るとステロイド外用剤が塗る必要のない部分まで広がることで、副作用が起きる可能性があります。軟膏やクリーム、病気などによっては順序が異なる場合もあるので注意して下さい。

軟膏やクリームはいつまで使用していいの?

軟膏やクリームの使用期限は数年間ととても長く使用することが可能です。正確な使用期限は軟膏やクリームのチューブを良く見るとキャップと反対の方に書いてあります。稀に記号で書かれている場合もありますが、その場合は薬剤師に訊いて下さい。このように長期間使用可能な軟膏やクリームも使用方法によっては長期間使えない場合があります。例えば、塗る時にチューブの先端を直接患部につけて絞り出したりすると、細菌がチューブの先端に残り、汚染されて使用できなくなることがあります。使用前にはしっかりと手を洗って清潔にした後、指などに絞り出してから患部に塗って下さい。綿棒などでチューブから取って塗ると、より衛生的で長期間使用できます。

軟膏やクリームはどのように塗ればいいの?

軟膏やクリームは塗り方によっても効果に差がでることがあります。軟膏やクリームの塗り方は優しく伸ばして塗るだけの『塗布』と、『塗擦』と呼ばれて擦り込む方法があります。多くの軟膏やクリームではステロイド外用剤のように擦り込まず、『塗布』します。これに対し、スキンケアに使用する保湿剤や、筋肉痛に使用する消炎鎮痛剤では擦り込むように塗ります。筋肉痛に使用する消炎鎮痛薬では擦り込むことによって、体内に吸収されやすくなり、より高い効果が得られます。ただし、あまり強く擦り込むと皮膚にダメージを与えてしまうので、優しく繰り返し塗り込むようにして下さい。どのように塗ればいいのか解らない場合には医師や薬剤師に確認して下さい。

病院で処方された薬が薬局でも買えるの?

最近では、病院や診療所で処方される薬が、町の薬局でも買える場合があります。薬がなくなってしまったが、病院などに行く時間はない時など便利です。このような薬では、病院や診療所で処方された薬とまったく同じものだけでなく、他の成分が含まれているものがあります。水虫の塗り薬では薬局で購入すると、病院や診療所でもらっている薬にかゆみ止めや炎症を和らげる薬など他の成分が追加されている場合があります。この場合では、患者さんによってはかぶれることがあります。軟膏やクリームでかぶれた経験のある方は、薬局で成分がまったく同じものを購入して下さい。

軟膏やクリームはどのように保管すればいいの?

軟膏やクリームは長期間使用可能ですが、正しく保存しないと使用期限まで使用できないことがあります。特に、温度や光などの影響を受けやすい軟膏やクリームが多いので注意して下さい。軟膏やクリームの保存温度は大部分が『室温保存』です。室温保存とは正確には1℃~30℃の範囲内で保存することです。夏場など30℃と超える場合には冷蔵庫などに保存して下さい。ただし、0℃以下に保存すると凍結して使用できなくなる軟膏やクリームもあるので、冷蔵庫内の温度を確認し、冷気の吹き出し口などを避けて保存して下さい。夏に車内に放置した軟膏やクリームは溶けてしまい使用できなくなるので、放置しないようにして下さい。一度溶けた軟膏やクリームは冷やした後に硬くなっても、同じ効果が得られない場合があるので使用しないで下さい。軟膏やクリームは薬局などでもらう場合、必ず薬の袋などに使用方法以外にも保存方法が書いてあるので、きちんと読んで正しく保存して下さい。薬の袋から出して使っていると使用方法や保存方法が判らなくなるので、必ず使用後は袋に戻して保存して下さい。

液剤を使用する場合の注意は?

水虫の薬などの塗り薬は液状の薬(液剤)やスプレーが多く使われています。これらの薬ではアルコールを含んでいる薬が多く、床に垂れたり、使用後に薬がついた手でメガネやボールペンなどを触ると塗装が剥がれたりします。新聞紙の上で使用し、使用後は直ぐに手を洗うなど注意をして使用して下さい。塗った後でも薬が乾かないうちに歩くと床の塗装が剥がれることがあります。これらアルコールを含む薬は火のそばでの使用や、保存をしないようにして下さい。使っている薬にアルコールなどが含まれているかわからない場合には薬局などの薬剤師に確認して下さい。

冬に軟膏やクリームを塗る時は?

軟膏やクリームでは冬に気温や室温が下がると、硬くなって塗りにくい薬があります。特に軟膏はクリームに比べて硬くなりやすい傾向があります。軟膏やクリームは硬いまま無理に塗ると、塗りにくいだけでなく、皮膚にダメージを与えたり、痒みの原因となります。塗る前に手のひらや手の甲に取って、少し温めると、直ぐに柔らかくなるので、それから使用して下さい。

軟膏やクリームで多い副作用は?

軟膏やクリームなどの外用剤を使用中に最も多い副作用の一つはかぶれなどの『接触皮膚炎』と呼ばれるものです。軟膏やクリームに含まれている成分によって起こる副作用です。軟膏やクリームの成分では効果のもととなる薬だけでなく、軟膏やクリームを作る添加物も配合されています。接触皮膚炎ではこの添加物でも起きることがあります。そのため、違う軟膏やクリームでもかぶれることがあります。軟膏やクリームを使用中にかぶれた場合、何の軟膏やクリームかを覚えて記録しておくと原因となる成分が解りやすくなります。最近ではジェネリック医薬品が増えていますが、軟膏やクリームでは添加物がそれぞれ違うので、切り替える際には注意して下さい。また、軟膏やクリームを使用中にかぶれなどが出た場合、直ぐに受診して下さい。